大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)521 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中三〇日を本刑に算入する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意について。

所論は結局事案誤認の主張に帰着し刑訴四〇五条所定の上告理由に該当しない。

弁護人向山義雅の上告趣意第一点について。

所論は要するに控訴趣意書第一、二点において主張したように第一審は被告人の

陳述権(刑訴三一一条)、証拠調請求権(同二九八条一項)、証人尋問権(同三〇

四条)及び証拠の証明力を争う権利(同三〇八条)の各行使を制限乃至抑圧した訴

訟手続の違反があるにかかわらず原判決は右の主張を排斥し第一審判決を是認した

ものであるから憲法三七条二項に違反するものであるというのである、然し記録を

精査しても第一審において所論のような各権利の行使を制限乃至抑圧した事跡を認

めることはできないのであるから第一審の訴訟手続には何等違法の点はなく右と同

一見解に出でた原判決は正当である、而して所論憲法違反の主張はかかる訴訟手続

の違反があることを前提とするものであるがその前提の採るべからざる以上論旨は

採るを得ない。

同第二点について。

論旨は量刑不当の主張であるから適法な上告理由に当らない。なお本件につき刑

訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条、刑法二一条により主文のと

おり決定する。

右は裁判官全員一致の意見である。

- 1 -

昭和二六年六月八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!